アンモニアの発生
ビーカーの中に塩化アンモニウム(固体の粉末)と水酸化バリウムを混ぜ(固体の粉末),ガラス棒でかき混ぜて温度計を差して温度を見ます。しばらくすると,「ツーン」と鼻をつくようなニオイが発生します。アンモニアが発生しているのです。
アンモニアのニオイ(刺激臭)対策に,ビーカーの上にぬれたろ紙をかぶせておきましょう。そうするだけで,ろ紙がアンモニアのニオイを吸ってくれます。(1年生のときにも習ったと思いますが)アンモニアは水に「非常によくとける」性質を持っていますから,ぬれたろ紙をかぶせることで,アンモニアの刺激臭を吸い取ってくれるからです。
化学反応式
この反応の化学反応式は下記のようになります。
2NH4Cl + Ba(OH)2 → 2NH3 + BaCl2 + 2H2O
塩化アンモニウムの化学式NH4Clは入試などで見ることはレアですが,水酸化バリウムBa(OH)2 と塩化バリウムBaCl2は公立入試でもちょくちょく見ますので覚えておいたほうがよさそうです。アンモニアの化学式NH3は最低限覚えておいて欲しい化学式です。化学式の表し方のページで再復習しましょう。
吸熱反応
さて,「アンモニアの発生」の実験で差した温度計の存在が空気になっていたので解説しますと,温度は下がっています。化学変化にともなって温度が下がる反応を「吸熱反応」と言います。対義語は「発熱反応」でしたね。「鉄粉・活性炭に食塩水を混ぜたときの反応」もご参考に。
練習問題
以下の文を読んで,あとの(1)~(4)の問いに答えましょう。
塩化アンモニウムに水酸化バリウムを混ぜ,ぬれたろ紙をかぶせて温度計を差してガラス棒でかき混ぜた。その結果,アンモニアが発生し,温度計の温度は( a )。この化学変化を化学反応式で表すと
2NH4Cl +[ ア ] → 2[ イ ] + [ ウ ] + 2[ エ ]
となる。このような,温度が( a )化学変化(化学反応)のことを( b )反応という。
(1)(a)に入る結果を,以下の選択肢の中から選びましょう。
- 上がる
- 下がる
- 変わらない
(2)化学反応式に入る[ア]~[エ]の化学式を書きましょう。ただし,[イ]には気体が,[エ]には液体が入ります。
(3)( b )に当てはまる語を書きましょう。
(4)下線部「ぬれたろ紙をかぶせ」ることで,アンモニアが発生した時の刺激臭をおさえることができます。これはアンモニアがどのような性質をもっているからですか。簡潔に述べてみましょう。
確認問題の解答例
(1)2.(下がる)
(2)[ア]Ba(OH)2[イ]2NH3[ウ]BaCl2[エ]2H2O
(3)吸熱
(4)(例)水に(非常に)よくとける性質。
※(注)(4)同意文可。「どのような性質か」聞かれているので「~性質」と答える必要があります。国語の問題を答えるときも同じですが,質問には的確に答えましょう。
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