例題
次の式を,絶対値記号を外した形で表せ.
(1)|x|+2
(2)|x+1|-3
(3)|x-5|-x
絶対値記号の考え方(まずは数字で考える)
絶対値記号を外すときは・・基本形をまず覚えておきましょう。□の中には何か数が入るとして,絶対値記号に挟まれた数(|□|)は確実に正の数になりますので,
- たとえば□の中が1だったら,|1|=1になりますし,
- たとえば□の中が-1だったら|-1|=1になるでしょう。
□の中がプラス(正)となるときは,何も手を加えなくてよいですし,□の中がマイナス(負)となるときは,絶対値記号に挟まれた中身(□)の符号を逆転させる(マイナス1をかける)と良いというわけです。
絶対値記号の外し方(次に文字で考える)
□の中を文字として捉えてみると・・・。□の中にXが入るとして,|X|について少し考えてみましょう。|X|について
- Xがプラスの数(X>0)だったら,(何も手を加えず)|X|=X
- Xがマイナスの数(X<0)だったら,(Xの符号を逆転させて)|X|=-X
- Xが0(ゼロ)だったら,(+0でも-0でも代わりないので)|X|=X=-X(=0)
と考えられます。以上を1.と3.を一括りにしてまとめると,
|X|=X(X≧0のとき)
=-X(X<0のとき)
と2通りに分けることができます。では例題を順に見ていきましょう。
解説・解法
(1)x≧0のとき,|x|=x,x<0のとき,|x|=-xなので,この2パターンに場合分けします。
(i)x≧0のとき,
|x|+2=x+2
(ii)x<0のとき,
|x|+2=-x+2
という2通りの答えまで求めて正解です。
(2)(1)のパターンから,|x|を|x+1|に置き換えて考えましょう。絶対値記号の中身 x+1≧0 のとき,|x+1|=x+1になります。ところで「x+1≧0のとき」って言うのはもうちょっと簡単にならないものでしょうか。x+1≧0を不等式としてといてあげないと答案としては不親切なものになります。なので,「x+1≧0のとき」から「x≧-1のとき」と改めてあげるとよいでしょう。
同様に,(ii)x+1<0の場合も同じで,これを解くと「x<-1のとき」と表記しなおしてあげればOK。あとは(1)と同じ要領です。
(i)x≧-1のとき,
|x+1|-3=x+1-3=x-2
(ii)x<-1のとき,
|x+1|-3=-(x+1)-3=-x-4
(3)(2)ができれば多分その流れで解けると思います。|x-5|の絶対値記号を外してあげると,x-5≧0のとき,すなわちx≧5のときと,x-5<0のとき,すなわちx<5のときで場合分けをしてあげましょう。
(i)x≧5のとき,
|x-5|-x=x-5-x=-5
(ii)x<5のとき,
|x-5|-x=-(x-5)-x=-2x+5
答案
(1)
(i)x≧0のとき,
|x|+2=x+2・・・(答)
(ii)x<0のとき,
|x|+2=-x+2・・・(答)
(2)
(i)x≧-1のとき,
|x+1|-3=x+1-3=x-2・・・(答)
(ii)x<-1のとき,
|x+1|-3=-(x+1)-3=-x-4・・・(答)
(3)
(i)x≧5のとき,
|x-5|-x=x-5-x=-5・・・(答)
(ii)x<5のとき,
|x-5|-x=-(x-5)-x=-2x+5・・・(答)