日本のエネルギー自給率
日本のエネルギー自給率(国内で確保できるエネルギーの割合)は徐々に低くなっており,原子力を除くエネルギー自給率は
- 1960年 58.1%
- 1970年 14.9%
- 1980年 6.3%
- 1990年 5.1%
- 2000年 4.2%
- 2010年 4.4%
となっています。数値は原子力を除く数値です。原子力を入れると2010年は19.5%になっています(出典:資源エネルギー庁「平成24年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2013) 」)
石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料もほとんどを輸入に頼っており,いずれも90%以上を輸入に頼っています。
日本の電力(発電)の内訳
日本は1950年代頃までは水力を中心に発電してきましたが,1960年代頃から火力発電が,1970年代からウランやプルトニウムなどを燃料とした原子力発電が普及し始め,2010年には3割弱まで原子力はシェアを伸ばしました。が,東日本大震災が起こった2011年以降,1%台まで落ち込んでいます。
- 火力:2010年・・約62% 2012年・・約88%
- 水力:2010年・・約9% 2012年・・約8%
- 原子力:2010年・・約29% 2012年・・約2%
発電所の分布
火力発電
火力発電所は,関東や中京など,電力の需要が大きい都市圏(都市部)や工業地域などに多く分布しています。海に接している理由のひとつに,火力発電の燃料となる石油・石炭・天然ガスなど化石燃料が輸入しやすいからという面があります。下の写真は横浜火力発電所(神奈川県横浜市)。
"Twin Tower TEPCO Yokohama power station02" by マガちゃん - マガちゃん. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.
水力発電
水力発電は,水が高いところから低いところに流れるときに発生する「高さの違い(位置エネルギー)」を利用して発電する方式なので,ダムが必要です。山地に分布することが多いです。下の写真は富山県の黒部ダム(黒部川第四発電所)。
"Kurobe Dam survey 2" by photo: Qurren (talk), with IXY 10S compact digital camera. - 投稿者自身による作品. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.
練習問題
次の文章を読んで,問題に答えましょう。
石油や天然ガスなどの( a )燃料を燃やして発電する( b )発電は,2010年時点で日本の発電量の約[ ア ]%を占めている。( a )発電所は都市や工業地域に近い臨海部に作られることが多い。水の高低差を利用した( c )発電は,2010年の数値で日本の発電量の約[ イ ]を占めている。( c )発電所は,ダムが必要なため山間部に作られる。ウランやプルトニウムを燃料として発電される( d )発電は,2010年時点で日本における発電量の約[ ウ ]%を占めていたが,震災の影響で,2012年には約[ エ ]%まで落ち込んでいる。
(1)( a )~( d )に入る適切な語を書きましょう。
(2)[ア]~[エ]に入る割合として適切なものを以下の中からそれぞれ選びましょう。
98% 88% 62% 42% 29% 14% 9% 2%
(3)下線部の,( a )発電所が臨海部に作られることが多い理由を簡潔に説明してみましょう。
練習問題の解答例
(1)(a)化石(b)火力(c)水力(d)原子力
(2)[ア]62% [イ]9% [ウ]29% [エ]2%
(3)(例)燃料が輸入しやすいため。など(同意文可)