2016年のセンター試験数学1Aは、第1問・第2問が必須問題で、第3問~第5問が選択問題です。第3問は確率で、問題を見るからに簡単そうだぞ、と思って選んで解いた方が合ってました。そんなに難しくはない・・・ので、1年生の練習用には最適かもしれません。サクッと解いていきましょう。
(1)余事象の確率
「少なくとも1個」と来れば、余事象を考えるのが定石です。その余事象ですが、問題文を見れば「AさんもBさんも白球を取り出す確率」ということが分かります。つまり、考える余事象は「Aさんが白球を取り出して」かつ「Bさんも白球を取り出す確率」です。
Aさんは12個の中から5個の白球を取り出すので、そのときの確率はとなるでしょう。
Bさんは残った11個の球の中から、4個ある白球を取り出すことになります。Bさんが白球を取り出す確率はですね。
Aさんが白球を取り出し、かつ、Bさんも白球を取り出す確率は
これの余事象の確率を求めれば「赤球か青球が少なくとも1個含まれている確率」となるので、求める確率は
・・・ア~エ
(2)積事象の確率・条件付き確率
Aさんが赤球を取り出す確率は,12個の中から4個取り出す確率と等しいので。
残った11個からBさんが白球(5個)を取り出す確率は。
なので,「Aさんが赤球を取り出す」かつ「Bさんが白球を取り出す」確率は
・・・オ~キ
この次、条件付き確率の考え方を使ってもいいですし、使わなくても良いと思います。Aさんが取り出したのが赤球だったら、残った球は赤が3個、青が3個、白が5個の合計11個あり、Bさんはこの11個の中から5個ある白球を取り出すので、その確率は
・・・ク~コ
と分かりますね。
(3)条件付き確率
問題文の誘導に従って解いていきましょう。
①Aさん:赤球 Bさん:白球になる確率
オ~キで求めたように
②Aさん:青球:Bさん:白球になる確率
Aさんが青球を取り出す確率は、(全体の)12個中(青球の)3個で、残った11個の中には白球が5個混ざってますので
・・・サ~ス
③AさんもBさんも白球になる確率
12個の球のうち白球は5個ありますので、Aさんが白球を出す確率はで、残った11個には白球が4個混ざってますので、市の中からBさんが白球を出す確率は
。この場合の確率は
となりますので、これらを足すと、「(Aさんの色がどうであれ)Bさんが白球を出す確率」を求めることができますね。Bさんが白球を出す確率は,①+②+③より
・・・セ~タ
ここの計算のちょっとしたコツは知っておくといいかも、と言いつつ少し長くなりそうなので、後で紹介できればなと思います。
で,その中でAさんが白球を取り出す確率を求めれば最後の空欄は完成なので、ここは条件付き確率を素直に使いましょう。分母がで分子が
なので
・・・チ~テ
まとめ
センター試験本試験の数学1・Aで「条件付き確率」が初めて出ましたが、そんなに考えずにスラスラといけました。考え方としては、全パターン出させてその中で該当する確率を求める、という作業だったので、旧課程の数学1Aの確率に出ていた「期待値計算」の考え方と少し似たパターンでしたね。
去年(2015年)、「もし条件付き確率が出るとしたらこんなパターンで出るんじゃね?」って受験生にヤマを張ってたのが1年遅れで出ました(2015年は場合の数「だけ」の問題だった)。2017年以降はもう少し難しくなっちゃうんだろうなぁ・・。
2016年センター試験解説
- 第1問:[1]1次関数 - [2]集合と論理 - [3]2次不等式
- 第2問:[1]三角比 - [2]データの分析 - [3]データの分析(1),(2) - (3)
- 第3問:場合の数と確率
- 第4問:整数の性質
- 第5問:平面図形