2016年センター数学ⅠAの選択問題、第3問は確率で、第4問は整数からの出題です。2015年から登場したこの分野で、トレーニングを積める過去問が2015年の本試験・追試験ぐらいしかないのですが、前半の(1)は2015年に出てきた「(ユークリッドの互除法を使って)不定方程式の整数解を求めていく」問題がそのまま出されています。ラッキー。
後半の(2)は記数法(n進法)からの出題で、初めて出たパターンでしたが、難易度はそこまで高くなく、これも当たりの選択問題だったのではないかと思います。
(1)不定方程式の整数解
このパターンは2015年の本試験・追試験とも出ており、もはやお決まりになってきています。
92x+197y=1 ・・・①
①の197と92を,ユークリッドの互除法を使って、「1=92×○+197×△」の形に持っていきましょう。
197=92×2+13 より 13=197-92×2 ・・・②
92=13×7+1 より 1=92-13×7 ・・・③
②,③より
1=92-(197-92×2)×7
1=92×15+197×(-7)
92×15+197×(-7)=1 ・・・④
①-④より
92(x-15)+197(y+7)=0
x-15=X,y+7=Yとおけば
92X+197Y=0
92X=-197Y
したがって,nを整数として
X=-197n,Y=92n
ここでXをx-15に,Yをx+7に戻すと
x-15=-197n,Y+7=92n
x=-197n+15,y=92n-7
xの絶対値が最小のものは、パッと見でn=0のときだと分かるでしょう。nに0を代入して
x = 15 ,y = -7 ・・・ア~エ
ということになります。さらに,92x+197y=10・・・⑤は、④を10倍したものをヒントに使えばいけますので
92×150+197×(-70)=10 ・・・④
kを整数とすれば,先程と同じような手順で
x=-197k+150,y=92k-70
xの絶対値が最小になるのはk=1のときで
x = -47 ,y = 22 ・・・オ~ケ
(2)n進法
2進法の11011(2)、これをまず10進法に変換していきましょう。右から1,2,4(22),8(22),16(24)なので
11011(2)=1×16+1×8+0×4+1×2+1×1=27(10)
これを4進法に変えます。右から1,4,16(42)なので
27=16×1 余り 11
11=4×2 余り 3
したがって,
11011(2) = 27(10) = 123 (4) ・・・コ~シ
後半の問題は、6進数の小数を10進数に直すと有限小数になるものを選ぶもので、1つ1つ計算して片付けていくのが手っ取り早いのでは、と思います。一番長い桁数で小数第3位までありますので、6進法の小数を0.1(6)、0.01(6)、0.001(6)を予め計算しておきましょう。
0.1(6)=,0.01(6)=
,0.001(6)=
これに、選択肢0~選択肢5を当てはめていきましょう。
選択肢0
0.3(6)==0.5
となるので有限小数ですね。○。
選択肢1
0.4(6)==0.66666....
となり、無限小数となります。これは×。
選択肢2
0.33(6)==0.7777....
これも無限小数になるので、×になりますね。
選択肢3
0.43(6)==0.75
止まりましたので、有限小数になり、これは○。
選択肢4
0.033(6)==0.097222....
途中で止まらないので無限小数。これは×です。
選択肢5
0.043(6)==0.125
ということで有限小数となりました。したがって、有限小数で表せる選択肢は
0・3・5 ・・・ス~ソ
まとめ
整数は選択問題ですが、基本をしっかり押さえていれば「あぁ^~難しすぎて手が止まるんじゃぁ~」なんてことはなかったんじゃないかと思います。確率も基本をおさえておけばスピーディーに解けるので、結果論になりますが選択問題は第3問の確率、第4問の整数が良かったのかな?と思います。
2016年センター試験解説
- 第1問:[1]1次関数 - [2]集合と論理 - [3]2次不等式
- 第2問:[1]三角比 - [2]データの分析 - [3]データの分析(1),(2) - (3)
- 第3問:場合の数と確率
- 第4問:整数の性質
- 第5問:平面図形