センター試験、第3問B(不要文選択)の続きです。問1から読んでくれれば解法が何となく身について効果もありますので、問1の解法を少し復習しましょう。
- 先頭の文(トピックセンテンス)からかけ離れている選択肢は切れる候補
- 選択肢どうしが似たようなニュアンスだったら(並列していたら)両方共切れないかも
- 選択肢どうしが繋がりにくい(繋がらない)とき、その前後に正解があるかも
この3つです。これを念頭に置いて問2を読み解きます。
先頭から選択肢①まで
先頭から下線までがかなり長いことになってますね。これもよく見られるパターンです。この場合も、最初の文が重要です。ざっと意味を取っていきましょう。
trial and error(試行錯誤)についててです。科学で見られるこれが日常生活でもよく見られるということ。この試行錯誤が、あんまり調子が良くないときに見られる、と。過去に使ったことのある治療法(treatment)がもうリストアップされてるかもしれないし、医学の本に頼ったり、ネットを使って新しい治療法をチェックもするかもしれません。どれか1つ、治療法を使ってみようと決めるかもしれません、ということです。
さあここから下線部、ちょっと読むスピードを落としましょう。
選択肢①の読み取り
「もしその治療法で調子が改善しなかったら、別のもの(治療法)を試す」。選択肢の直前の1文からは特に意味的にずれていることはありません。ただ、ここで②の言っていることと矛盾があったら、「選択肢が繋がらない前後に正解が」で①か②のどっちかが答えになる可能性はありますね。
選択肢②の読み取り
「彼らは治療法がどんなに科学的か、ということについて関心がある」。今まで「体が不調だったときの試行錯誤」について触れていて、いきなり「治療法が科学的」となっているのには少し違和感を感じますね。選択肢②から後の文と整合が取れているかだけ見てみましょう。
「これは日常生活の中でこのアプローチがどのように使われているか示す例である」と。②が削除されないなら、直後の下線を引いてない部分で「治療法がどんなに科学的か」の裏付けを書くでしょうから。
これで決まったようなもので、②の文はなくても良いですね。正解は②ということになるでしょう。消化試合的に他の選択肢も検討しましょう。
選択肢③の読み取り
「問題を解決するときに、科学者たちは1つ以上の考えを思いつき、ありえそうな選択肢の1つを使う」。ここで科学者の話になって少し本文がリセットされるでしょうか。もう正解をあぶり出したら読まなくてもいいんですがね・・・。
選択肢④の読み取り
「1つのアイデアが失敗したら、代わりのものを考える」。③と④はニュアンスが似ていますね。似たニュアンスのものは両方切れないかも、と言ったとおりになってしまいそうです。最後の文で「試行錯誤の日常的な使われ方」「科学的な使われ方」を1つにまとめあげているように思われます。
重要単語・イディオム
- trial and error :試行錯誤
- approach:(可算名詞) [学問などへの]取り組み方
- observe:(他動詞) [観察によって]認める。観察する。
- not feel well:体調が良くないと感じる
- treatment:(可算名詞) 治療法
- consult:(他動詞)[参考書、辞書などを]調べる。[専門家に]意見を聞く。
- improve:(他動詞) 改善する
- condition:(不可算名詞、可算名詞) 状態、体調
- be concerned about ~ :~を気にする。~に興味を持つ
- adopt:(他動詞) 取り入れる
- solve:(他動詞) 解決する、解明する
- come up with ~:考え付く
- possible:(形) 可能な、考え付く
- option:(可算名詞) 選択肢
- fail:(自動詞)[人、モノが]失敗する
- consider:(他動詞)熟考する、検討する
- alternative:(可算名詞)選択肢
- in common:共通の、共通して
日本語訳例
トライアルアンドエラー(試行錯誤)は科学において使われる手法であるが、日常生活のなかでもしばしばみられるものである。それは体調が良くない時の人々に見てとれる。彼らは以前やったことのある治療法のリストをすでに持っている可能性がある。それらのうちのどれか一つを使うことに決めるかもしれない。①もしその治療法で状態が良くならなければ、別の治療法を使う。②彼らはその治療がどのように科学的であるかということについて関心がある。これはこの手法がどのように日常生活で使われているかという例である。③問題を解決するために科学者たちは2つ以上のアイデアを思いつき、可能性のある選択肢の中から一つを選んで使ってみる。④そのアイデアが失敗すれば、彼らは他の選択肢を検討する。このように、科学と日常生活で使われるアプローチにはいくつか共通点があるのである。