2016年センター試験英語、第3問B(不要文選択)の問1・問2からの続きです。前の問題から続けて見ている人は、解法をおさらいしておきましょう。
- (???) からかけ離れている選択肢は切れる候補
- 選択肢どうしが(???)だったら両方共切れないかも
- 選択肢どうしが(???)とき、その前後に正解があるかも
?の中身がピンと来なかった方、問1・問2で思い返してみてくださいね。
ではいつもの調子で選択肢を検討していきます。
先頭から選択肢①まで
「食べ物はお腹を一杯にする以上のことができますよ―感情を満たすことができますよ。」というのがパラグラフ最初の文、トピックセンテンスです。2文めで「お腹が空いてないときに食べ物で感情を満たそうとするとき、これはemotional eatingとして知られている」と。「感情的な空腹と身体的な空腹には重要な違いがある」と言ってます。何となく、言いたいことは分かりましたね?
選択肢①の読み取り
「感情的な空腹と身体的な空腹は両方、食べ物で(その感覚を)取り除こうとする空っぽの信号だ」と言ってます。違いがあるって言っときながら、序盤から「両方」と言っているのがなんか怪しい。怪しい怪しいと思って前に返ってじっくり精読してしまうとそれこそ時間が無くなっちゃいます。ここは何となく怪しいと思いつつ次に進みましょう。
選択肢②の読み取り
「感情的な空腹は突然やってくる、身体的な空腹がだんだんやってくる一方で」と。これはちゃんと違いが対比して表されてるんじゃないかと思います。①と比べると、序盤で言ってることと辻褄が合ってます。消さずに保留でしょうか。
選択肢③の読み取り
「感情的な空腹は欲しい食べ物ですぐに解決されてしまう必要がある一方で、身体的な空腹は待てるよ」みたいなニュアンスですね。これも「感情的な空腹」と「身体的な空腹」の違いを述べています。これも保留でしょうかね。
選択肢④の読み取り
「感情的に食べると罪の意識を残してしまうけど身体的な空腹はそうじゃない」と言っています。これもやっぱり違いについて触れています。まとめると、①だけが「同じ点」について触れ、それ以外は「違う点」について触れているのでしょう…と考えると、結局答えは①になるのかな、と思われます。
①がトピックセンテンスからかけ離れている上に、②~④が「似たようなニュアンス」(まあ今回の場合は似たような「方向」かなとも思うんですが)だったために、どこも切れませんでした。
重要単語・イディオム
- fill :(他動詞)満たす
- stomach :(可算名詞)胃、食欲
- satisfy :(他動詞)満足させる
- emotional :(形)感情的な
- emotional eating :気を紛らわすために食べる事、情動的摂食
- significant:(形)重要な、意味のある
- hunger :(不可算名詞)空腹
- physical :肉体上の、身体上の
- signal :(可算名詞)合図
- emptiness :(不可算名詞)空(から)、空虚
- eliminate :(他動詞)取り除く、除去する
- occur :(自動詞)起こる
- gradually :(副詞)徐々に
- dealt :deal の過去分詞
- deal with :対処する、解決しようとする
- セミコロン(;)の意味 : 接続副詞の代わりに等位な2つの文をつなぐ
- instantly :すぐに
- leave behind : (痕跡などを)残す
- guilt : 罪、自責
- due to ~ : ~に起因して、~のせいで
- cause :(他動詞) 引き起こす
日本語訳例
食べ物にできることは単に我々の胃を満たすことのみではない――それは我々の感情も満足させてくれる。もし空腹でない時に食べ物でそういった感情を満足させようとしたなら、これは情動的摂食(感情に支配された摂食)という言い方で知られている。情動的空腹と身体的な空腹との間にはいくつかの重要な違いがある。①情動的な空腹も身体的な空腹も共に食べ物を摂ることによって取り除こうとする欠落感のシグナルである。②情動的空腹は突然現れるが、身体的空腹は段々に起こってくるものである。③情動的空腹は、好きな食べ物でてっとり早く対処される必要があるように感じるものだが、身体的空腹は待つことができる。④空腹感によって食べる時にはそういうことは無いのだが、情動的に食べると罪悪感を残す。情動的空腹は食べ物によって完全に満足させることはできない。その瞬間は食べることで気分が良くなるかもしれないが、空腹感を引き起こした感情はそのまま残るのである。