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心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ(新古今和歌集)

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中の人、古文はあまり得意ではありませんが、古文が苦手な方のために、しばらくシリーズ物で、新古今和歌集を少しだけ、(解説にならないかもしれませんが)解説したいと思います。

本日の一首

心なき 身にもあはれは知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ

―西行(1118~1190)―

重要語句と文法

心なし(こころなし:形容詞)

「心なき」の後に「身」という体言が付いているので、「心なき」は「心なし」という形容詞の連体形になるのですが、「こころなし」は

  • 思いやりがない
  • 風流心がない
  • 道理が分からない

大雑把にこの3つです。最後に「秋の夕暮れ」という情景が出てきている点あたりから「風流心がない」なのかなぁ、と感じつつ。ここまでで意味を捉えていくと「風流心のない身にも・・・」あたりかな?

あはれ(名詞)

形容動詞の「あはれなり」(「しみじみとする」「情緒がある」など)はよく知られていますが、その「あはれ」が名詞で使われると「しみじみとした趣」という意味になります。まんまと言えばまんまですけどね。

知ら-れ-けり(助動詞「る」「けり」)

「知られけり」の「知ら」は大丈夫でしょう。四段動詞の「知る」の未然形でしょうね。「れ」って何でしょう。未然形に付く「れ」と言えば・・助動詞の「る」の連用形かなと。助動詞の「る」なのですが

  • 受身(~られる)
  • 尊敬(~なさる)
  • 自発(自然と~られる)
  • 可能(~できる)

の4種類あります。どれでしょう?受身にすると「知られる」となって、なんか知られちゃマズいものが知られる感じがしますのでなんだかなあ。尊敬は・・尊敬する対象は今回ないのでは?!自発だと「『あはれ』が自然にわかる」ちょっとしっくり来そう。

可能は特殊で、打消の表現が下に来る場合が圧倒的(例:「~れず」(~することができない))。ただ鎌倉以降の文章では単独で可能の意味も使われていますけどね。

なので「れ」は「自発」の意味で取ってみましょう。

次は「けり」。助動詞の「けり」ですが、

  • 過去(~した、~したそうだ)
  • 詠嘆(~だなあ)

の2種類あります。和歌の中で「けり」が出てきたらほぼ詠嘆って言っていいんですが、過去についてもちょっと触れておきます。過去の助動詞は「けり」の他にも「き」があるのですが、「き」は自分で直接経験した過去のこと、「けり」は他人から間接的に見聞きした過去のことです。歌の中で他から見聞きしたようなことはなかったと思いますので、やはり詠嘆でしょうね。

なので、「知られけり」は「自然と分かるものだなあ」というところでしょうか。

重要語でもなんでもないのですが、漢字読めますか?

「しぎ」です。鳥なんですが、どんな鳥かは・・・ググってください。笑

これで大体読むメドはついたかな?

現代語訳例

俗世間から離れた(風流心のない)私のような身であっても、しみじみすることはあるものです。鴫(しぎ)が飛び立つ沢の夕暮れよ。

復習問題

(a)心なき 身にもあはれは(b)知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ」について・・・

問1 下線部(a)「心なき」の意味を以下のA~Eのうちから選びましょう。

  • A. 道理がわからない
  • B. 思いやりがない
  • C. 気にくわない
  • D. 風流心がない
  • E. 気がかりだ

問2 下線部(b)「知られけり」の文法的な説明を完成しましょう。(  )の中から1つずつ選んでください。

「知られけり」の「れ」は(①受身・尊敬・自発・可能)の助動詞「る」の(②未然・連用・終止)形。「けり」は(③過去・詠嘆)の助動詞「けり」の(④未然・連用・終止)形。

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復習問題の解答

問1で「C.気に食わない」「E.気がかりだ」など、ダミー選択肢を作っておいたのですが、「気に食わない」を表すのは「心づきなし」、「気がかりだ」を表すのは「心ぐるし」と、どれもこれも「心」から始まる、ちょっと覚えるのが厄介な古文単語です。

答え

問1 D
問2 ①自発 ②連用 ③詠嘆 ④終止

 







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