2017(平成29)年センター試験英語筆記、第6問Aの問2を解説していきます。問1でも示しましたが、センター第6問の解き方は、パラグラフ単位で「どのパラグラフを読むか」「何を聞いているか」を頭に入れ、「本文を読んで」「選択肢を切る」という流れでした。
では同じように問2もさっくり解いていきましょう。
Aの問2(解答番号 48 )の解き方
問2 以下のうち、パラグラフ(2)の swallow our pride の意味に最も近いものはどれ? 48
ということで、下線部の意味に近いものを探す問題です。
現代文の「~とはどういうことか?」問題に似ていますが、下線部を聞いている場合、文脈的な意味まで押さえてから選択肢を切るのが無難。ということでパラグラフ全体(今回はパラグラフ2)を最後まで読み切ってから問題に入るのが得策ではないかと思います。
では本文見ていきましょう。
本文・パラグラフ(2)のざっくり和訳
困難な状況になった友情を救う助けとなる一つの方法が、連絡を取り続けることだ。友人が私たちの感情を傷つけるようなことをしたと考える時、私たちが最初に取る反応は連絡を絶つことかもしれない。しかし、自分のプライドを飲み込み、そうすることを避ける方が良いかもしれない。例えば、Maryは友達のSusanが夜間学校を修了して卒業するまで毎週彼女の子供たちの面倒を見ていた。しかしその後、数か月の間SusanからMaryへの連絡はなかった。そのため彼女はSusanがただ彼女を利用していただけだったのだと感じた。彼女は、もうSusanとは話さないと決めた。しかし結局、Maryは無理をしてでも自分の感情を無視して、自分ががっかりした事についてSusanに話した。Susanはすぐに謝り、ただ自分の勉強を修了した後、それまでそのためにできなかった事を調整しようとしていたと彼女に言った。もしMaryがその事を伝えていなかったら、Susanは問題があったという事を知る由もなかっただろう。たとえ腹をたてていたとしても、連絡を絶たないことは良い関係を維持するためにとても重要である。
選択肢の検討
では選択肢を切っていきましょう。"swallow our pride"とは何なのか?"swallow"は動詞で「飲み込む」(名詞ではツバメの意味があります)。この意味は結構重要語なので押さえておいてもいいでしょう。問題はこの「プライドを飲み込む」が本文中どのように使われているのかですね。
下線問題の場合は前後を把握しておくのが良いでしょう。「傷ついたらまず連絡を切る」んだけれどもしかし、「プライドを飲み込んでそれを避けた方がいい」と。連絡切らない方がいいということでしょうか。これで目処が立ったらOKですし、目処が立たなくてもMaryとSusanの例が挙がってるので読めばいいのです。
Maryも「Susanとは連絡切ったる」と思いかけた・・・けどプライドを飲み込んで「がっかりしたんですけど」と本当のことを話した、と。大体展開は見えてくるでしょう。
では選択肢を判定していきましょう。
1. 誰かに感謝の意を伝える
いやいやいや、これ、連絡を切ってしまおうかと思うぐらい傷つけられて、そこで「ありがとう」って言葉はないでしょう。×。
2. 気持ちを抑える
ズタズタに傷つけられても、それでも「ぐっとこらえて」連絡を切るのを避けて・・。意味が通っていますので、保留にしておきます。
3. 問題が起こると気付く
傷つけられて、連絡を切りたいと思うかもしれないが、問題が起こると気づいてそれを避け、(連絡を取り続ける)とありますが、パッと見この文は意味が通っているように思えます。これも一旦保留にしておきましょう。
4. 誰かを見るのをやめる
これはどこから出てきたのかちょっと不明ですね。「もーこいつイヤ。切りたい」と思ったところで「ちょっと待って。誰かを見るのをやめて切るのをやめといた方がいいよ」・・・??・・。×でしょうね。
ということで2と3のどちらかになるのでしょうが、そこで「下線部問題でもパラグラフ全体を見て答える」が発動するわけです。MaryとSusanの話で、Maryは「あーなんでSusanから連絡無いの?裏切られてたの?もうイヤこんなヤツ切ってやる」と決めた後に感情を無視して、Susanに思ってることを話して・・・。
ここにありましたね。感情を無視してってことは、2番と3番なら、2番の「気持ちを抑える」の方が自然でしょう。答えは2になるでしょうね。3番の「問題が起こると気付く」だと、先に「何か悪いことがあるんじゃないか」って予知してしまうことになってしまいますから。
では、単語を消化して次に行きましょう。次はパラグラフ(3)、(4)ですが、Aの択一問題がないので、Bの問題を解きながら次の2パラグラフ分を読んでいきましょう。
第6問 問2 重要単語
パラグラフ(2)の重要単語
- in trouble : (困難な、危うい)状態で
- keep in touch : 連絡を保つ(取り合う)
- hurt (他動詞) 傷つける
- response (名詞) 反応
- cut off : 断ち切る
- contact (名詞) 接触、関係、交流
- however (副詞) しかしながら
- swallow (他動詞)
- pride (名詞) プライド、自尊心
- avoid (他動詞) を避ける
- for example : たとえば
- until ~ 前置詞 ~まで
- graduate (自動詞) 卒業する、学位をとる
- hear from : ~から聞く、連絡をもらう
- several (形容詞) 数個(数人)の
- decide (他動詞) を決める、を決心する
- any more : これ以上、今後は
- in the end : 結局、ついに
- force (他動詞) を強制する、を強いる
- ignore (他動詞) を無視する
- disappointment (名詞) 失望、落胆
- immediately (副詞) すぐに
- apologize (自動詞) わびる、謝る
- catch up with ~ : ~についていく、(欠席によりできなかった仕事を)後から調整する
- complete (他動詞) を完了する、を修了する
- mention (他動詞) に言及する、を口に出す
- angry (形容詞) 腹を立てて、怒って
- relationship (名詞) 関係(性)
問2の重要単語
- following (名詞) 通例(the following) 下記の事項【単数、複数扱い】
- close (形容詞) 近い
- meaning (名詞) 意味
- thanks (名詞) 感謝の気持ち
- hold back ~ : [事実、本心などを]隠す、しまっておく
- feeling (名詞) 感情、気持ち
- realize (他動詞) を自覚する、に気が付く
- happen (自動詞) 起る